本日は 東日本大震災から 2年11カ月。
首都圏での数日の雪害混乱は雪に慣れていない都会の方々には 大変な状況だったと思います。
札幌もこのところ毎日雪が降るので 私は定期的に朝夕雪かきして 空いた時間は読書の日々を過ごしています。
林真理子さんが今頃自分の本に挑発的な題名を付けたのかしら。と思って購入したのが「野心のすすめ」。
中味はサクセスストーリーで辛かったこと 調子に乗った頃の話とかで 最後のページに女が精神的に自立して生活することや 自分の意志で伴侶を得ることや子どもを産むことなど 自分で選択して決断する気持ちの強さのことを書いてました。
それにしても今更「野心をすすめる?」の疑問マークは残ったままでしたが もう一冊の本を読んで理解できました。
「”あの日のそのあと”風雲録」は 「週間文春」に長期連載されてるエッセイ「夜ふけのなわとび」の2011年1月~2012年1月迄のものです。
他の作家や文筆業の方々が 日本の未曾有の大震災を語るとき 自分の思考の分岐点になったとか 自分の価値観が変わったとか とてもクールに綺麗に”あの日のこと”を表現してくれています。
生まれ故郷の気仙沼・鹿折地区に震災が起きて 独居の父に連絡がつかないと知った瞬間 我が身の心身のバランスを身を削りながらかろうじて保って 次の場面に備えた対策を必死に練っていた私には 御身の心身だけ守るナイーブすぎる作家の心情が負担でした。
林さんの作品は 軽いエッセイから歴史小説まで多く読んでいるので。
この時期だからこそと被災した子ども達のためにスクールキャンプやセミナーを開き 被災した産業の橋渡しもしてました。
被災直後は口出ししてもお金も手も出さない人が沢山いた中で まさに「野心を持って世間で有名になったお陰で 非常事態のこの様なときにとても役に立ちました!!」を体現しています。
「ルンルン買ってお家に帰ろう」から 自分を見つめて成長し続けた林真理子さんは 立派な大人の女性になってました。