虹の旅人

2011年3月11日 故郷が壊滅。 人生はNext Stageへ

娘が緊急帝王切開で 女の子を無事出産!!

 その日私は 自分が娘を生んだ同じ産婦人科病院で その娘が出産する喜びに浸ってました。

 

つわりも無く 出産予定日近くまでアクティブに過ごしている娘が朝になって破水し 陣痛誘発剤が効けば 夕方もしくは翌日にでも出産すると見込んで 頼まれた買い物に足取り軽く向いました。

 買い物が済んで病室に行けば 看護師さんから「誘発剤の効果が薄く 明日以降の出産になるので 本日はお引き取り下さい」と言われたものの 痛がる娘の腰をさするために何故か残ってました。

するとそのとき 胎児の心電モニターからエラー音が ビービービはーと響き渡りました。

 

何がなんだかわからないまま私は廊下で待機を命じられ 入室を許可されたときには 「母子の生命維持のため 30分後に緊急帝王切開手術を行います」と言われただけ・・・。

セキュリティ厳重な娘婿の会社には 携帯電話から連絡ができず 唯一知らされていた窓口番号はずーっと話し中。

 

「娘婿と連絡がつくまで 時間的猶予が欲しい」と 当直の若い女性医師に申し出ると「心電モニターを再点検したところ 胎児の心拍が不安。

この時点で手術を行わなければ 訴訟となった際に手術をしなかった医療側の責任になります。

よって成人している妊婦の同意があれば手術ができます。一応 お母さんにも同意署名をして頂きたい。」とキッパリ言われて 初めて”ことの重要性と緊急さ”を知った次第。

 

刻々と読み上げられる同意書には 同病院で出産の際は第二子も帝王切開になること。

全身麻酔または部分麻酔のいずれかは 担当の麻酔医の判断に任せること。

麻酔後遺症による麻痺が残る場合があるので それにも同意すること等・・・色々ありました。

 

はたして生まれて来る子の親ではない祖母の私が「娘家族の将来に関わる”幸せとリスク”に関して同意をして良いものか?」と一瞬のためらったものの 「母体と赤ちゃんの命を最優先にしております」の先生の言葉を信じました。

 

奇しくも当直医の先生とは別に 妊娠初期からの娘の担当医は 私が娘を出産したときに担当だった先生の息子さん。

娘はそのことを承知で 実力も経験も円熟期の息子先生に担当医になって頂いたようです。 

当直医の実務的な術前の説明後 担当医の息子先生は緊急帝王切開になった妊婦の身体や気持ちを考慮して わざわざ病室までいらして不安を丁寧に取り除いてくれました。 

結局 帝王切開手術の執刀も息子先生がして下さり 娘は手術室に入って22分後に 無事女の子を出産。

 

幸せな時間から数時間後 目の前を”ひやりと”命のせめぎ合い”が通り過ぎた感覚がありました。

天国と地獄を行ったり来たりしたような 妙な緊張を味わいました。

 改めて 親子二代の”縁の糸”に感謝致します。