虹の旅人

2011年3月11日 故郷が壊滅。 人生はNext Stageへ

花咲か祖父ちゃん 花が咲く

 今月初旬の夕方 気仙沼の実家で独りで暮らす86歳の父親から「大変だ~!!大変だっ!!俺が新聞に載るぞ~」と電話が入りました。
 
昨年の夏に 市内の道路で倒れて 救急車出動もあり 今年はソロソロ一人暮らしも限界かと心配していた矢先なので ドキッとしました。
 
自分都合で電話口で一方的に話す父親との会話は ”聞く力”と”質問力”が試されます。
 
昔から父親は自己流で 小さな色紙に水彩絵を描くのを趣味にしていました。
元々手先を使う仕事をしていたので 仕事を辞めた後の手慰みに 小さな大豆や更に小さい米に絵を描くことを思いついたようです。
 
大豆に”寿”の文字や花を描くときは 「まめで達者に・・・・と。 
米に花を描くときには 「人生に花が咲きますように・・・」と それぞれ願って描いていたみたいです。
寿 鶴&亀も絵をマスターしてました~。
 
描いた作品は 父親が出会った人や 親切にしてくれた人達に「縁起物だから~」の言葉を添えて配っていて その延長で気仙沼本吉町一帯の地元紙・三陸新報社の集金担当者にも渡したみたいです。 
そこからのルートで 記者さんが取材に来たのですから 繋がるご縁そのもの。
 
「急ぎのニュースが無いときに片隅に載るだろから 気長に待っててね」と言った翌朝 「新聞に載ってたぞ~」の電話がありました。。
 
11年前に長患いの母を介護して看取った後 「自分の余生を 好きにさせてくれ!!」と言って気仙沼に住み続け 2011年の震災で古い家屋は半壊被災。 
そして今でも 知人達が誰も居なくなった気仙沼・鹿折地区で独り暮らし・・・。
 
娘達に少し迷惑をかけても 人には迷惑をかけないように気ままに生きている父親が 周りの人達の幸せを願って感謝している気持ちが 今回広く伝わって良かったと思います。
 
祖母譲りの~自他共に幸せを願う心~は 父親から私 そして私の子供達にも伝わるDNAだったみたいです。
 
数日後に送られてきた新聞に 「縁起物を配る・・・」と紹介された”笑顔の祖父ちゃん”がされ その日の新聞は我が家の家宝になりそうです
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 ※ 1マス5mm単位
 

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